岩手イノベーションベース第24回月例会開催レポート

5/19に開催しました、第24回月例会に御参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

現地40名、オンライン31名の申込をいただき、月例会から懇親会まで、大いに盛り上がった回でございました。

R5.4月から、IIBのフォーラムメンバー有志による運営委員が企画運営しており、より熱のあるイベントになっています!

運営委員は以下の四名のフォーラムメンバーです。

・有限会社ホームセンター仙台 代表取締役社長 米内 松司(第1期)

・合同会社福嶋圭次郎 代表社員 福嶋圭次郎(第1期)

・Aqsh株式会社 代表取締役 塚田 崇博(第2期)

・株式会社イノベーションラボ岩手 代表取締役社長 村上 勝俊(第2期)

アーカイブ動画を公開します!

月例会内容抜粋

  • 会社は2001年に親会社はなく個人出資と銀行融資で設立した。
  • クラフトビール業界では親会社がないことは珍しいことが多い。
  • 会社の売上高は毎年増加し、2021年度は約7億3000万円、2022年度は7億6000万円だった。
  • スタッフは65人で、男女比はほぼ同じだが、正社員では男性が多い。
  • クラフトビール業界への起業の経緯には家族や友人からの反対もあった。
  • 銀座のカフェバーでのアルバイト経験がお酒に興味を持つきっかけとなった。
  • 銀座での経験からお酒の知識を深め、起業の意欲が湧いた。
  • 欧米の進歩に感銘を受け、お酒のストーリーや物語に魅了される。
  • 学生時代からバーボンやシングルモルトに傾倒し、銀座のバーで飲み歩く。
  • 大学4年生になり、研究室に入るも研究者としての自覚が芽生えず、就職を考える。
  • 紹介を頼んだ知人のOB会社に8社だけ訪問し、採用され盛岡に。
  • 転居して盛岡で福井不二子さんのワイン教室に参加し、ワインアドバイザーの資格を取得。
  • ソムリエのコンテストに挑戦し、ポートワインのソムリエコンテストで全国2位になる。
  • 幅広くお酒を楽しむ中で地ビールの登場に注目する。
  • 地ビールは規制緩和によって生まれ、一時は全国各地で地ビール会社が誕生するビールブームが起きる。
  • しかし、地ビールブーム後の時期では多くの地ビール会社が閉鎖倒産し、市場は縮小する。
  • このような状況の中、ビールの選択肢の不足と味の面白さの欠如に危機感を抱き、多様なビール文化を育むために当時の嶌田社長と前社長の木村氏は企業を設立。
  • 本物のプレミアムビールを作り、日常の贅沢を提供したいという思いを持つ。
  • ビールにおけるプレミアムな選択肢が他のお酒に比べて不足していると感じる。
  • ビールの魅力を伝えるため、ビール買いやビールの啓蒙活動を行う。
  • ギフトセットが最初の売り上げにつながり、価格の高さをギフトという形でクリアすることができた。
  • ギフトセットを通じて地元のビールに関心を持つ人々が現れ、初めての売り上げを達成。
  • 平日の人のいないギフトセンターに立ち続けて積極的に販売し、一日で複数のセットを売る喜びを体験。
  • 売上の成果をスタッフと共有し、喜びや成功体験を共有しながら成長していく。
  • お中元やお歳暮のギフトセットが起業初期の成功となり、ビジネスの基盤を築く。
  • 父の日にクラフトビールギフトを売り始めた。
  • 初めは他社にはない新しいアイデアだったが、競争相手が現れた。
  • 最初の年はクラフトビールギフトを全国で販売し、好成績を収めた。
  • その後も父の日商戦に取り組み、楽天市場の特集やランキングでも上位にランクインした。
  • バレンタインデーにチョコレートビールを売り出し、大ヒットを記録した。
  • 様々なイベントや限定ビールの展開も行った。
  • 売上は急上昇し、5年目には3.6倍に増えた。
  • 2008年に工場で大事故が発生し、1人の従業員が亡くなる悲劇が起きた。
  • 事故後は3ヶ月間業務が停止し、安全対策やマスコミ対応に取り組んだ。
  • 事業が一時停止し、再開に向けて考える時、安全対策や労働環境の整備など、事故を二度と起こさないための対策を取ることを誓ちつつ、「良い会社」にする必要性を感じた。
  • チームメンバーがいい会社で働けるよう努めることを意識した。
  • 何が「いい会社」なのか明確にはわからなかったが、学習や情報収集に努めた。
  • チームの一体感を作り、縦割りの問題を解消するために取り組んだ。
  • 情報共有の重要性に気づき、ルールブックやブランドガイドラインを作成した。
  • 全体ミーティングや家族会、社内旅行などを通じて情報共有を促進した。
  • 人数の増加に伴い、情報整理の課題が浮上したが、解決に取り組んでいる。
  • ブランドガイドラインを通じて、会社の行動規範や方向性を言語化した。
  • 酒の席に関するルールやブランドの要素についても取り組み、統一を図った。
  • 仕事と育児の両立に関する問題や男性育休の重要性について言及。
  • ワークライフバランスの実現が仕事の質や生産性の向上につながると考えられている。
  • 少子高齢化の中で、生産性の向上が重要であり、多様な働き方を実現する必要がある。
  • 従業員満足度調査を実施し、スタッフからの意見を取り入れている。
  • 企業の思いは、ささやかな贅沢を提供し、本物のプレミアムビールを作ることであり、これは変わっていない。
  • ビールが世の中にどのように役立つのかを考え、良い会社になるための取り組みを行っている。
  • ベアレンのミッションという文書を作成しており、それを通じて本物のプレミアムビールを作り出すことが目標となっている。
  • 日本のビールであり、喉越しを楽しみ、どこでも高品質の味わいを提供する。
  • 現在のビールの現状を説明し、岩手地域で手作りの本格ビールを製造している。
  • ビールは日々の味わいと共に贅沢なコクと豊かさを持ち、岩手からビール文化を発信する。
  • ビール文化を通じて食卓を豊かにし、地域を活性化させることを目指している。
  • ファンを作るために、まずベアレンに接する機会を多く作り、ミッションやストーリーを共有し共感を生み出す。
  • ベアレンとして、自社の目指す社会の変化や良い方向性を明確にし、共感を得る。
  • ブランドを明確化し、競争力を持つためにはファンを作ることが重要であり、上位の顧客が売上の大部分を支えている。
  • ベアレンは地域に根ざしたビール文化を通じて選択肢を提供し、コミュニケーションと交流を活性化させることで地域を元気にするブランドを目指している。
  • ベアレン醸造所は地域に根指したビール文化を作り、コミュニケーションの活性化と地域の交流を増やすことで社会を良くしていくことを目標としている。
  • ベアレンビールを飲むことで、地域の活性化やコミュニケーションの促進に貢献するブランドを目指している。
  • 地域活性化の取り組みとして、ベアレンを通じて地域を元気にする活動に参画している。
  • 好きなことや共感できることだけをやりたいと考えている。
  • 起業は自分の価値観との共感づくりであり、自分のやりたいことを実現する手段として重要である。
  • 起業は自分の努力によって成功できる可能性があり、競馬や宝くじなどのギャンブルとは異なる。
  • 起業には努力が必要であり、頑張ることで誰でも成功できると信じている。
  • 起業は自分の共感や価値観との共感を築くための手段となる。
  • ベアレンでは、ベアレンとカケルプロジェクトを実施し、岩手を元気にするアイデアを募集している。
  • 20周年を迎えるベアレンの取り組みについて、多くのアイデアが集まっており、現場のスタッフが対応に追われている状況である。

質疑応答

ほとんどの質問は大学生からでした!

一般参加者

トーリーやブランドを売るためにはどうしたら良いですか?

嶌田社長

ブレずに言い続けることが重要であり、ブランドガイドラインの作成や繰り返しのコミュニケーションが必要だと説明しています。一度の言葉では変化は起こらず、継続的な取り組みが重要である

岩手大学生

地域経済に貢献しているベアレン社の今後の展望や目標は何ですか?

嶌田社長

地域産業の長期的な継続が重要であり、次の10年や30周年に向けて目標を持ちたい。一つは、売上規模を10億円まで達成し、そこまで行けば次世代に引き継ぐことも想定。また、文化を作りたいという思いがあり、自社の拠点や場所を通じてベアレンを飲み、人々が集まる場を作りたい。これらの目標を達成するために、アイディアを模索し、参加者を募りたい。詳細なアイディアについては今後の機会に話す予定。

岩手大学生

ベアレンでカケルプロジェクトを立ち上げられているが、どうしたら採用されるか伺いたいです。新しいコミュニティを作り、岩手の若者の成長を支援したいと考えています。コラボイベントで参加者を増やすためにどのようなヒントがありますか?

嶌田社長

ベアレンとのコラボプロジェクトについては、社長としては基本ノータッチで報告がある程度だが、頼まれるだけの応募は×。相乗効果や面白さを追求し、一緒に取り組むことで岩手の盛り上がりにつながるアイデアを求めている。

岩手大学生

ミーティングや社員との接触で心がけていることや注意していることはありますか?

嶌田社長

朝礼などで繰り返し伝えることが大切。また、自身が好きな言葉として「雪が降っても自分の責任」という考え方で、他人や状況を責めず、自分自身の責任として行動することを心掛けている。さらに、部下とのコミュニケーションでは、相手に響かない場合は自身の伝え方やアプローチを見直し、再度伝えることを意識する。自己変革は環境を変えるよりも容易であり、自身の意志で行えるため、相手に「言ったよね」と責めることは避けている。

岩手大学生

岩手県出身ではない島田さんが地元に密着して経済を大切にされていることについて、どのようなこだわりや思いがあるのか教えてください。

嶌田社長

東京出身だが、北千住といった下町。東京の人々は自信満々で、世界の中心で日本を回していると思っている気がする。東京は人々の価値観が集まる場所であり、その価値観は地方で形成されていると考えている。岩手県を選んだ理由は、他の街には詳しくないからであり、もし他の場所に赴任していたら同じような活動をしていたかもしれない。

一般参加者

起業家として、失敗を乗り越えるために心がけていることや成功への取り組みについて教えてください。

嶌田社長

自分の価値観やビジョンに戻ることが重要。多くの失敗やしくじりがあったものの、自身のビジョンややりたいことを持っており、それに立ち返ることで乗り越えてきた。彼は会社のビジョンだけでなく、自身のクレド(信念)を定めており、常に心に留めている。もし問題が生じた場合には、そのクレドに立ち戻ることが重要。明確な目標を持ち、アプローチがうまくいかなくても、失敗を生かして次に向かって再チャレンジするために、自身や会社の考えをしっかりと持っていることが重要。

岩手大学生

ブランドを売り込むためにベアリングに接する機会を多く作ることが重要と話されましたが、具体的にどうやって機会を作ってきたのですか?

嶌田社長

まずやってみることが大切であり、自分の価値観から逃げずに面白いことを試すことを重視。例えばゴールデンウィークに工場の前でビール祭りを開催。そのイベントは大変な盛況となったが、参加者によってはセルフ飲み放題方式に抵抗感を持つ人もいたため、アプローチを変える必要があると気付いた。アプローチや切り口を変えると、参加者も変化する。もしうまくいかなければ、変えてみることも大切。会社の標語みたいなもので「まずやってみよう」というもの。

一般参加者

若い人たちがコンサルティング会社を選ぶ際に間違った選択をしてしまうことがあると感じています。ベアレン社長はコンサルティングを選ぶ際にどのような基準を持っていたのでしょうか?また、コンサルティングを選ぶ際に気をつけるべきポイントがあれば教えてください。

嶌田社長

自身がコンサルティングを選ぶ際には、まずは直感や相手の人柄を重視。自分が好感を持てる人や担当者を選び、ビールを飲みながらゆっくりと話を聞くことで相手の人柄を見極めていく。また、お金の話よりも相手の人柄を重視しており、最初に高額な料金を提示されると逆に引いてしまうこともある。さらに、相手のコンサルティング会社が持つビジョンやミッションに共感できるかどうかも重要視。これらの基準を通じて相手との共感や信頼関係を築くこと。同様の基準は取引先や顧客との関係においても通じるものであり、価格よりも企業や人の考え方や立ち位置に共感し、取引を決めることが多い。

オンラインからチャット質問

起業から現在まで様々な困難がありましたが、特にコロナウイルスによる困難にどのように取り組み、開けたと感じているか教えてください。

嶌田社長

ファンやお客さんを大切にすることの重要性を再認識。販売面でもさまざまなチャネルを持っていたため、レストランやイベントの売り上げが減少した一方で、ウェブショップや通販、県外のスーパーマーケットなどでのクラフトビールの売り上げが増加した。彼はこれまで経験したことのない凸凹な状況に直面しましたが、多くのチャネルを持つことができたことで乗り越えることができたと感じている。特にゴールデンウィークに行ったビール祭りでは、人々が笑って楽しんでいる姿を見て、コロナが終息し復活したという実感を得た。

オンラインからチャット質問

これまでの起業家コミュニティと今後の望ましい姿、期待することは何ですか?

嶌田社長

起業家には、経営者ならではの悩みや孤独感が存在する。そのため、仲の良い経営者仲間と相談している。IIBのフォーラムの回置換はよくわかるし、若いころに参加していたらたくさん相談しただろうなと思う。

次回月例会

日時:6/16(金)18:00~19:30
会場:コラボMIU(盛岡市産学官連携研究センター)&zoom
講師:coming soon!

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