2022年4月22日(金)に第15回月例会を開催致しました。
1.講師紹介
株式会社アジアクエスト 代表取締役社長 桃井 純 様
講演テーマ 「Think Globally Act Locally!」
2.株式会社アジアクエストのご紹介
日本、インドネシア、マレーシアにて企業のDXを支援するデジタルインテグレーション事業を展開している。
3. 講演内容
(1) 桃井様が、40代で3度目の起業にして、マザーズ上場を達成された経緯を背景に、地域経済において、世界視野(マクロ視野)で考え地域視野(ミクロ視野)で行動する意義についてご講演いただきました。
(2) 桃井様は、現在のアジアクエスト起業以前の2度目の起業で、当時はまだ市場が形成されていなかったCRMマーケティングシステムの開発、販売を行っていました。
当時のビジネス戦略は「ニッチ&グロース市場戦略」。市場シェアの上位2社程度のみが勝者となれる厳しい競争の中では、とにかく時間との勝負、資金調達にも苦労され、ハイリスク・ハイリターンのリスクをご経験されたそうです。
(3)2社目の会社をバイアウトした後、すぐに次のビジネスを模索、当時定期的に行なっていた海外視察が起業の糧となります。
具体的には、シリコンバレーの投資家がベンチャーへの投資判断をするにあたって、日本と異なり、ベンチャーがターゲットとする市場の存在(成長性、市場シェアの確保にいくらお金がいるのか)を第一に議論することからビジネスの着想を得ています。
(4)当時の自身の年齢から、ハイリスクな勝負はできないと判断し、確実な成長、大きな市場(かつ占有されていない)を求めて、人口ボーナス期のアジアを市場に定め、最初の1年で、現地法人をM&Aにより買収し、日経現地法人向けのITサービス事業を開始しました。
(5)アジアでの事業開始2年目には、永続的にアジアでビジネスを行う為の基盤整備として、日本でシステムインテグレーションサービスを開始。事業とした理由は、IoT市場でのSIの大きさと、市場でのシェア確保の可能性を見出してのことでした。
※ 当時システムインテグレーション(SI)サービスがIT市場で7~8割を占めていた事、市場参加者の93%が100人以下の中小企業であった事。結論として、100人規模の会社を作れば、多重下請け構造から脱却し、上位7%に食い込めると判断。
(6)従業員数を増やし、率先してクラウド、IoT、AIといった最新技術に対応することで事業基盤を固めた結果、2018年からのDXの潮流に即時対応し、上場に至っています。
(7)組織づくりの際に重視した点は下記の通りです。
① 企業文化の醸成に注力
② 従業員の能力開発(個性・強みを見極めて、最大化をめざす)
③ 積極的な権限移譲(当事者意識の醸成)(課長の平均年齢が30代。若い時期の役職での経験がその後の伸びしろに)
④ トップからの継続的なコミュニケーション
⑤ 外部への情報公開、譲歩発信、入社前のコミュニティづくり
(8)まとめ
① マクロ視野、世界視野、未来視野で考える事の重要性を整理していただきました。
外に目を向けるとマーケットは広がる。
(海外の価格差、時間差、需給バランスを活用する。)
② 視野の広げ方
a アンテナを張る
異業種間でネットワークを持つ、広げる。
b 自ら動く
実際に動き、体験してコミュニティを作ることが重要
(興味関心のある人とSNSで繋がり、合いにいく等)
c ゴールを設ける
ゴールを持つとアンテナの感度が上がる。現状の外側に達成困難なゴールを定め、常にアップデートする。(ゴールを持つことで常に考えるようになる→ゴールは達成しなくてもいい)
d デジタル技術の進化を常に追って、活用する
もはや、あらゆる企業が無視できない誰しもの共通課題
以 上