岩手イノベーションベース第12回月例会開催レポート

2022年1月28日(金)に第12回月例会を開催致しました。

新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、オンラインのみの開催となりました。計約40名の方に御参加をいただきました。

講師には、昨年11月18日に東証マザーズ市場上場を果たし、IIBの会長で、㈱GRCSの社長を務めている佐々木慈和社長に「岩手から上場への道」をテーマに上場までの変遷や、ご自身の価値観についてお話頂きました。

(写真:佐々木社長講演)

株式会社GRCSは2005年に設立。GRC・セキュリティ関連ソリューション事業を展開しております。簡単に言うと複雑な外部環境リスクからガバナンスのDXを通じて企業を守る会社だそうです。

佐々木社長は1976年に岩手県岩泉町で生まれ、盛岡第一高校、琉球大学、南カリフォルニア大学卒業後、日本ヒューレット・パッカード㈱へ入社、2005年に㈱GRCSの前身となるFrontier X Frontier㈱を設立しております。

~一部講演内容~

地方からの起業に必要な下記の3つの要素(人・物・金)についてお話頂きました。

1.地図を変え、常識を変える(物)

  佐々木社長は、岩手県岩泉町から高校生で岩手県盛岡市に、その後、沖縄県、アメリカ、東京、インド、シンガポールへと拠点を移していくうちに常識が変化し、国や地域を意識しない価値観を醸成していったそうです。

2.地方出身者しかできない戦略(金)

  ベンチャー企業は成長していく過程で資金調達を行う必要があります。新しい事業やよくわからない事業に投資をしたがらないVCが多い中、GRCSは2016年、2019年にいわぎん事業創造キャピタルから投資を受けています。岩手県出身でなければ投資は受けられなかったと思いますし、GRCSが上場し、キャピタルゲインを得たことでいわぎん事業創造キャピタルや岩手県に貢献できたとも考えているとお話頂きました。

3.最高の仲間たち(人)

  物やお金があっても人がいなくては、事業は成長していかないそうです。佐々木社長はEO[1]で10年間、毎月4時間、8人のメンバーで集まってフォーラムを繰り返し行ってきました。当初、そのフォーラム内の上場企業は0社でしたが、10年が経過すると、その中から5社の上場企業が生まれました。上場を目指す企業の経営者と一緒に過ごし、情報や価値観を共有したことで、上場することが当たり前の環境が作り上げられてきたと佐々木社長は語っております。IB構想もこのフォーラムから始まり、TIB(徳島)、IIB(岩手)、KIB(京都)、HIB(広島)、CIB(千葉)、YNIB(山梨)が設立され、現在では、全国21のIBが設立されております。 

[1] EOとは - Entrepreneurs' Organization(起業家機構)は、1987年に設立された、年商$1MILLIONを越える会社の若手起業家の世界的ネットワークで、現在62か国196チャプター、14,674名のメンバーによって構成されています。

(写真:パネルディスカッション(←佐々木社長、→IIB運営協議会 稲垣副会長))

佐々木社長と稲垣副会長のパネルディスカッションでは、投資先(GRCS)と投資者(いわぎん事業創造キャピタル)との関係性からのお話や、佐々木社長が会社をまとめる上で重要視(自由と責任)していること、上場してから変化したこと、岩手県への想いについてお話しいただきました。また、参加者の方々からも活発な質問があり、今後の岩手県の盛り上がりが期待できるものとなりました。

~お知らせ~

1.IIB第3期フォーラムメンバーを募集中

3期目のメンバーを募集中です。岩手県内の経営者(創業者、事業承継者問わず)対象ですので、奮ってご応募ください。

2.次回の月例会

次回の月例会は2月15日(金)18:00~の開催を予定しております。詳細はこちらから➡岩手イノベーションベース第13回月例会『枠にとらわれない』開催のお知らせ(2022/2/25(金)18:00~)【オンライン】