岩手イノベーションベース第17回月例会開催レポート

2022年6月24日(金)に第17回月例会を開催致しました。

1.講師紹介

株式会社ゼンシン 代表取締役 前田 忠嗣 様

講演テーマ 「Be ambitious!」

2.株式会社ゼンシンのご紹介

 サッカースクール運営事業、障害児通所支援事業(放課後等デイサービス・児童発達支援)、障害福祉サービス事業(就労継続支援B型)を展開しており、仙台未来創造企業認定、j-startup tohokuに選定されている。

3. 講演内容

 前田様が、東日本大震災をきっかけに大志を抱いたことで自身にとって必要な出来事や人物と巡り合うことについてご講演いただきました。

(1) 北海道出身で実家はサラブレッドを生産する事業だった。家を継ぐように育てられたが、大学卒業後、自分で起業しようと考えたそうです。

将来の起業を念頭に置いて営業のアルバイト、就職し、すぐにトップセールスマンになられたそうです。

20代前半でその会社で東北支部の責任者となったのち、25歳で創業したとのことです。

(2)当時、営業力に自信があり、順調に業績を伸ばされたそうですが、「理念なき経営」であったとのことで、従業員が定着しなかった等、非常に悩んだ時期とのことでした。

苦しみから抜け出すために月に10冊、年間200冊くらい本を読むように勉強を始めたほか、日本を美しくする会による「トイレ掃除」に出会う等あり、会社が持ち直してきたそうです。

(3)その後、東日本大震災が起きたことで、「社会の役に立ちながら会社経営をしていこう」と価値観が変わったそうです。

御自身の姉君が、視覚障がいを持っている方とのこともあり、名刺に点字加工をする事業を行うこととし、雇用するために支援学校から視覚障がいを持つ少女を紹介いただいたそうです。

その少女は、視覚障がいだけでなく、他にも発達障がいがあることが分かったとき、引き続き雇用して関わっていくために従業員も含めて障がいについて勉強を始め、その中でサッカーのコーチからも同じように障がいを持つ子の話を聞いた中で、そのような子たちが安心安全なサッカーが提供できるように、障がい福祉事業を始められたとのことで、学習塾→サッカースクール→障がい福祉事業という展開となっているそうです。

(4)ある日、東北大学地域イノベーションセンターというところで経営者による勉強会に参加したところ、参加者から「全国に広げていく価値がある」と示唆されたこと、IPOのヒアリングに呼ばれたこともあって、「上場」について意識と学びを深めていくこととなったそうです。

しかしながら、上場を意識したことによる価値観の変化により、話し合いや相互理解のために努力するも、価値観の変化に合わず従業員の離脱があり、業績も3年ほど伸び悩んだ時期だったそうです。

(5)反面、事業を全国に広めるために様々な場面で発信していく中で、受賞・認定等、応援してくれる方々が増えていったとのことで、志を持ったと途端に支援してくれる人が現れてきたそうです。

大志を抱け、というが、自身にとって必要な出来事や人物とのつながりが、説明がつかないがなぜかでてくるもの、ということを感じたそうです。